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◆ 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)

宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)

「お稲荷さん」と親しまれている稲荷大神は日本人に最も身近な神さまで、殖産興業、開運招福、火防(ひぶせ)の守護神として、広大無辺のご神徳を慕って多くの人々に崇敬されています。
「イナリ」の語源については諸説があり、「イナリ」は「イネナリ(稲成、稲生り)」で、稲が育つさまを表しているとも、「イネカリ(稲刈)」の「刈」が「荷」に誤られたとも、また「イナニ(稲荷)」が「イナリ」に転訛したとも言われています。稲荷大神はご神名を宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)と称し、「ウカ」とは「貴い食物」を意味します。つまり宇迦之御魂神とは、「稲に宿る神秘的な精霊」を表し、五穀をはじめ一切の食物を司る神さま、生命の根源を司る「いのち」の根の神さまです。
宇迦之御魂神は須佐之男神(すさのおのかみ)と神大市比売神(かむおおいちひめのかみ)との間に生まれた神さまで、倉稲魂神とも書きます。兄神には「大年神」がいらっしゃいます。父の須佐之男神は天照大神の弟神として有名ですが、母の神大市比売神はご神名に「市」をもたれるように「市場」や「流通」の神さまで、兄神の大年神は「大年(おおとし)」すなわち「大稲(おおとし)」の神さまで、私たちがお正月に「年神さまを迎える」という時の「年神さま」に当たります。
宇迦之御魂神は、「古事記」の大気津比売神(おおげつひめのかみ)や「日本書紀」の保食神(うけもちのかみ)と同神で、いずれも五穀の起源の神さまとして記されています。
以上のことから分かりますように、宇迦之御魂神は御自身が食物を司る神さまであるとともに、一族に流通や稲に関わる神を持つ、人間の生活にとって根源的な役割を司る神さまであられるわけです。
食物の神、農業の神として崇敬された宇迦之御魂神は、民間の工業や商業が盛んになりますと広大無辺な御神徳を慕われて、殖産興業の神としての信仰が広がっていきます。近世になると農家ばかりでなく、商家、町家、大名にいたるまで稲荷大神への崇敬が広がり、ご分霊をいただいて屋敷神や家庭神、地域神としてお祀りする人々が増えていきました。
現在は、「家内安全」、「商売繁盛」の神様です。
 

◆ 大宮女命(おおみやめのみこと)

大宮女命(おおみやめのみこと)

大宮女命(おおみやめのみこと)は巫女の元祖のような神様です。
はじめ、天岩戸に天照大神が籠もってしまわれた時、その前で舞を舞って、大神を外に出すのに重要な役割を果たされました。
また、天孫降臨の際は、邇邇芸命に付き従って地上に降りていき、その途中、不審な人物を見つけると、諸神が恐れる中、その神に「お前は何物か」と聞きに行きました。これは実は天孫の道案内をしようと待っていた、猿田彦大神で、これが縁で、のちに天宇受売神と猿田彦大神は結婚することになります。
民間伝承では、二人は道祖神になったと伝えられており、各地の道祖神をお祭りするところで、この天宇受売神と猿田彦大神をお祭りしています。
また、この天宇受売神の子孫は、猿田彦の「猿」を取って「猿女の君(さるめのきみ)」と呼ばれ、宮中で楽を奏し舞を舞う仕事をしていました。それ故に、天宇受売神は芸能の守護神ともされる。
この天宇受売神や、猿田彦大神というのは、本来は太陽神なのではないかとも言われます。それ故、天宇受売神は、天照大神が隠れている時、その代わりのように岩戸の前で舞い、また猿田彦大神も太陽神で、まぶしくて誰も近寄れなかったのを、同じ太陽神である天宇受売神だけは近寄ることができたのではないか、という論議があります。
現在は「芸道」、「家庭円満」、「厄除」の神様です。
 

◆ 猿田彦神(さるたひこのみこと)

猿田彦神(さるたひこのみこと)

さるたひこのかみ 天孫降臨(てんそうこうりん)のとき、皇孫迩々芸命(ににぎのみこと)を案内した時の神様。鼻は長く、背は高く、口は輝き、目は八咫鏡(やたのかがみ)のようにてりかがやいていたと言う。この神に睨まれたら「目勝(まが)ツ神」は無いと言われる程、偉丈夫(いふう)堂々たる御姿で、神通力の強い力の神様です。その高徳により、「導きの神」、「道開きの神」として困った時や物事の始めに、災厄を祓い幸運をもたらす大神としても高名です。そして、「方位を司る大地の守護神」、「導き」「道開き」と「祓い」の大神様です。 現在は、「交通安全」の神様です。